ウイルスの亜型ってなに?
- happyhealthlab
- 2024年7月30日
- 読了時間: 3分
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症が始まって4年半ほど経ちましたが,当初の武漢で発生したウイルス(オリジナル)から,皆さんが知っているだけでもアルファ,デルタ,オミクロンと替わってますよね.
名前の付け方はさておき,大きく種類が変わるときに名前も変わるルールになっています.
こちらのロックフェラー財団のHPに掲載されている図をお示しします.

これを見ても分かる通り,
ベータ
イプシロン
ミュー
デルタ
は比較的同じような流れだったのですが,オミクロンでまったく違う種類になったようです.デルタ株のときはかなり患者さんが重症化して死亡者も多かった印象でしたが,オミクロン株になってから重症化する患者さんが減ったというところは,やはり種類が大きく変わったからなのでしょう.一方で,ワクチンの効果も変わってしまいますので,良いことばかりでもないのですが...
インフルエンザウイルスの場合も,香港型とかソ連型とか聞いたことがあるかもしれません.国立感染症研究所のHPに記載されているインフルエンザワクチンに含まれる株の種類を見てみると以下のようになっています.
A/Victoria(ビクトリア) /4897/2022(IVR-238)(H1N1)pdm09
A/California(カリフォルニア) /122/2022(SAN-022)(H3N2)
B/Phuket (プーケット) /3073/2013 (山形系統)
B/Austria(オーストリア) /1359417/2021(BVR-26)(ビクトリア系統)
ここからも分かるように,同じA型インフルエンザにも2009年に新型インフルエンザと認識された亜型(H1N1)と他の亜型(H3N2)がありますし,B型にも様々な種類があるようです.インフルエンザの場合は,その年に流行しそうな株を選定してワクチンに組み込むようにしてあります.
ウイルス感染症は,同じ時期に複数の種類が同時に流行することは少ないとされています.
例えば,インフルエンザの場合,最初の頃はA型が流行して,終わり頃にB型が流行することが多いです.
COVID-19についても同様で,先ほどのロックフェラー財団のHPの図をお示しすると,大きく種類が変わるごとに他の種類は駆逐されるようです.

現在流行していると言われているKP.3という亜型は,オミクロン株の中のJN.1という系列の流れのようです.基本はオミクロン株ですし,突然空気感染になったわけでもありませんので,私たちが注意することは何も変わっていません.
「感染力が強い」と実験レベルで確認されていますが,今までも可能な範囲内で感染防御をしている私たちにとって,結局やることは変わりません.
世界保健機関(WHO)からのレポートでは,今までのワクチン(XBB1.5)の効果があまり期待できない(19-49%の減少)ようですので,感染しやすい状況が現在はあるということには注意しましょう.重症化については,そもそもリスク低いようですがワクチン接種との関連については記載されていませんでした.
アメリカではJN.1を対象としたワクチンを作るように指令が出ているという話もあるようですが,日本では今後ワクチン接種についての規定も変わっていくようですので,メリット・デメリットをきちんと理解しておきましょう.


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