胃癌検診受けてますか?
- happyhealthlab
- 2024年9月4日
- 読了時間: 2分
みなさん,がん検診は受けていらっしゃいますか?
前回の記事で,闇雲に検査を受けるのではなくて「治療ができる段階で見つけて,寿命が延びる」方法を選んでいくことが大切です.
例えば,胃癌.日本を含めた東アジアでは胃癌が多いとされています.
ですので欧米人よりも日本では重要な問題です.
ちょっと古いですが『有効性評価に基づく 胃がん検診ガイドライン 2014 年度版』というのが出ていて,「有効性評価に基づく」シリーズがあります.
これによると,
胃透視検査(いわゆるバリウム検査)は,2005年のときの検討で「死亡率減少効果がある」と認定
胃内視鏡検査は,今回の検討で「死亡率減少効果がある」と認定
ペプシノーゲン検査は,「死亡率減少効果は不明」
されています.
ただし,胃透視検査の根拠となった2003年の論文を見てみると,胃透視検査を受けた人と受けなかった人を比べていますが,胃透視検査を受ける人は健康状態に熱心な人でしょうし,受けなかった人は熱心じゃない人の可能性が高いですよね.そうすると,熱心じゃない人は後日多少症状があっても医療機関を受診せずに,発見が遅れる可能性があるかもしれません.そうなると,胃透視を受けなかった人に胃癌が見つかるのは,胃癌がひどくなってからかもしれません.
UpToDateという英語の文献だと,
「胃透視検査は,早期胃癌の14%しか検出できなかったり,半分ほどの胃癌を見逃す可能性がある」
と書かれています.検査に慣れている施設かにもよりますが,海外の文献では胃透視検査はあまり推奨されていません.
そう考えると,もし検査をするなら胃内視鏡検査(胃カメラ)がいいかと思います.
検査のタイミングは,2-3年に1回ということになっています.毎年やる必要はないんですよ.もちろん症状がなにかあれば,適宜必要に応じて検査を行ってくださいね.
どの年齢からやるべきかというと,先ほどの有効性評価に基づく 胃がん検診ガイドライン 2014 年度版によると
男性 55歳〜
女性 65歳〜
が推奨されています.年齢の上限は特に決まっていないのですが,年をとると胃癌の発生が増えることを考えると,「元気に日常生活が自立しているれば」特別上限はない気がします.
当然ですが,胃癌が見つかっても治療をしない方や,他の問題でかなり衰弱している場合は,症状がない時点での胃がん検診は推奨されないと思います.


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