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RSウイルスワクチン

11月のハッピーヘルス倶楽部では,ワクチンのまとめを行いましたが,そこで扱えなかったワクチンをブログの方でも書いていこうかと思います.


今回はRSウイルスに対するワクチンについてです.

RSウイルスというのは,元々冬場に小児で咳を中心とした症状を起こすバイ菌と思われていましたが,成人でも問題を起こすことが指摘されています.

ウイルス感染症と聞くと自然に治る風邪を思い浮かべることが多いと思いますが,RSウイルス感染症は成人でも入院が必要となる場合があって,特に高齢者では注意が必要です.


こちらの論文を参考にすると,成人における症状として

  • 症状を起こす:3-7%(高リスク者であれば4-10%)

  • 医療機関を受診する:0.8-1.4%(高齢者では17-28%)

  • 入院する:18歳以上の成人 0.04-0.09%,65歳以上の成人 0.14-0.36%(持病を持っている高齢者では12%)

  • 集中治療室に入室する:入院した感染者のうち6-15%(高齢者に限ると11-18%)

  • 入院患者の死亡率:入院した感染者のうち1-12%(高齢者に限ると6-9%)

となっていて,全体でみればそれほど多くの感染者が症状で困るわけではないのですが,中には重症になる方がいるということになります.特に以下の下線のついた人は特に高リスクと考えられています.

  1. 高齢者

  2. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)

  3. 慢性心不全

  4. 慢性腎疾患

  5. 脳血管障害の既往

  6. 虚血性心疾患

  7. 糖尿病

  8. 肥満

  9. 免疫抑制者


RSウイルスはインフルエンザウイルスや新型コロナウイルスと違って,薬での治療(抗ウイルス薬)が確立していません.そのため,感染するとサポートをして治る力に頼るしかありません.

そのため,ワクチンを中心とした予防の方法が確立されてきています.特にRSVが感染するときに必要とするFusion蛋白(F蛋白)を標的として研究が進んでいるようです.

具体的なワクチンはこちらにお示しした通りです.

アレックスビーは60歳以上(高リスク者なら50歳以上)のみが接種できますが,アブリスボは妊婦も接種できるようです.こちらの報告では,妊婦さんがワクチンを接種してもらうことで,新生児への感染を防ぐことができ,大切なお子さんを守ることに繋がるようです.


どんなワクチンでも接種した部分が腫れるなどの副反応はありますが,「ギラン・バレー症候群」という病気が,10件未満/100万接種で発症するとされています.このギラン・バレー症候群は他のワクチンでも発症の報告はありますが,予防効果が高いことを考えると現状ではこの副反応があっても「接種した方がよい」という推奨になっているようです.


個人的には60歳以上の方全員に接種してもらうのはハードルが高い気がしますので,60歳以上で免疫不全がある場合や,心不全など持病を持っている場合は検討してもよいと思います.アメリカでは75歳以上の方で接種を推奨しているようですよ.

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