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体に水はあるけど点滴を希望しますか?

前回,点滴の中身は塩水であることをお伝えして,脱水がある人にとっては血液量が増えますので体調を改善させる可能性がありますが,脱水がない人にとっては一時的に血液量が増えた後にすぐに尿から排泄されてしまうことをお伝えしました.


ちなみに,自分が脱水かどうかは

  • 普段の体重との変化

  • 尿が普段通り出ているかどうか(普段より極端に減っていたら脱水)

  • 体液が染み出てくる部分(口の中や涙など)に水が残っているかどうか(乾いていたら脱水)

  • 立ちくらみしやすいかどうか(立ちくらみしやすかったら脱水)

などが目安になるでしょうか.今後熱中症(厳密には熱中症と脱水症は別の病気ですが重なる部分もあります)の季節になりますので,これらを目安に水分補給をしてください.


もしも,体の中に水が過剰にある場合に点滴をするとどうなるでしょうか?

病気で言うと,心不全や肝不全(肝硬変),腎不全という病気を持っている方は,体に水が溜まりやすい傾向にあります.そのような方に点滴をするとどうなるでしょうか?

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心不全を持っている患者さんでも,もちろん脱水状態であれば点滴をして水分と塩を入れる意義はあるのですが,脱水がない患者さんに点滴を無駄にしてしまうと害になります.

心臓に返ってくる血液量(体液量)が増える結果になってしまい,心臓に大きな負担となります.


過剰な水が発生すれば,余った水が血管から漏れて,

  • 胸水や肺水腫(肺に水が溜まります)

  • 腹水(お腹に水が溜まります)

  • 手足(特に足)がむくみます

重症になると少し動いただけで息が切れたりします.


これは元々病気がある人の話で,健常者については余分な水は単に尿から外に出されるだけですが,過ぎたるは及ばざるがごとし,です.

「点滴を行う必要がある患者さん」なのか,「点滴を単にしてもらうと気分的に良くなる患者さん」なのかをきちんと見極めた上で,治療の選択ができるといいかなと思います.


でも,脱水があるからといって,本当に『点滴』じゃないといけないのでしょうか?次回,脱水の時の経口補液について書いていきましょう.

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