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脱水と熱中症

前回までに,いわゆる点滴治療は「塩水」を体に入れる作業ということをお伝えしてきました.良いことばかりではないんですよ,ということをお伝えしましたが,これから暑い夏に向かって熱中症が増える時期になってきました.


テレビなどでは「水分をしっかりとって」と伝えられることもあるかと思います.

水分さえ摂っていれば大丈夫なのでしょうか?


実は,熱中症については昨年弊社サービス(ハッピーヘルス倶楽部)でも取り上げましたので,もし詳しく知りたい方はご視聴いただければと思いますが,「熱中症」と「脱水症」は同じものではありません.

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この図を見ていただいて,「熱中症はあるけど脱水はないパターン「や,「脱水症はあるけど熱中症はないパターン」もあるんだと知ってください.


熱中症の定義は,体温の上昇に伴って発生する疾患,とされています.つまり,外部から熱を浴びせられたり,内部の熱をうまく放散できなくなった結果,体温が上昇することによって起こってくる様々な病態を熱中症と呼んでいます.『体温がキャパシティを超えて上昇する』ことが根源です.


一方,脱水症の定義は,体内の水分(体液量)が減ってしまうことを指します.海外では,血管の中の水量が減る脱水症と全体の水が減る脱水症を分けていますが,日本語では「脱水症」となります.これは体温が上昇することとは一致しません.ですので,脱水症があるけど熱中症ではない人が存在します.

では,熱中症はあるけど脱水はないパターンはあるのでしょうか?あるんです.

特にご高齢の方は汗をかきにくくなっていますので,熱が籠もりやすくなってしまいますが,脱水にはならないこともあります.


では,前回までの話に戻って,水分を積極的に摂取すると,脱水症は良くなったり予防できたりしますが,熱中症は予防・治療できるでしょうか?

答えは,水分摂取だけでは熱中症は予防できません.体内の水分があることで汗が出やすくなって,多少の熱中症予防効果はありますが,根本的には熱を受けないようにするとか,熱を作らないように休むとかが予防には重要となります.

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