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コレステロール高いですか?

健康診断で指摘されて,もっとも治療に乗り気じゃないのは高コレステロール血症(脂質異常症)じゃないかと思います.

痛くも痒くもなく,やたら薬飲めと言われるし,食事や運動なんてめんどくさいことやってられないですよね.


元々,コレステロールが高いことで動脈硬化が進行しやすく,心筋梗塞や脳卒中などを起こしやすくなることが分かっていますので,医者は「治療しましょう!」と思いますし,患者さんは10年後のことなんて気にしてられないので,ギャップができやすいです.

先日アメリカの方で脂質異常症診療のガイドラインが出ましたので,それをまとめながら脂質異常症の診療について知っていただければと思います.


<脂質異常症の診断>

コレステロールと言いながら,実は

  • 総コレステロール

  • HDL-コレステロール(いわゆる善玉コレステロール)

  • LDL-コレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)

  • 中性脂肪(トリグリセライド)

という測定項目があり,近年は

  • HDL-コレステロール(HDL-c)が低いこと

  • LDL-コレステロール(LDL-c)が高いこと

  • 中性脂肪(TG)が高いこと

が動脈硬化リスクとされていて,昔は『高コレステロール血症』と呼ばれていたものが,今は『脂質異常症』と呼ばれています.

実際に測定するのは,上記3つ(HDL-c, LDL-c, TG)と思いきや,実はLDL-cは直接測定するのではなく,総コレステロールとHDL-c,TGの計算で算出するのが標準とされています.昔はFriedewardの式で計算されていましたが,TGが高いときに正確ではないということで,最近はMartin/Hopkinsの式で算出することになっています(日本ではLDL-cを直接測定しますが,海外ではLDL-cは直接測定されないということですね).


<治療の基準>

じゃあ,脂質異常症と診断したら即治療かというと実は違います.

脂質異常症の治療の意義は『10年後(30年後)の動脈硬化性疾患の予防』です.動脈硬化のリスクは脂質異常症だけでなく

  1. 高血圧症

  2. 過去の動脈硬化性疾患を起こしているか

  3. 年齢

  4. 性別

  5. 喫煙

など他の要素も実はあります.となると,これらを総合してリスクを評価して,リスクが高いとなれば治療できるものを治療する,というスタンスとなっています.

逆に,コレステロールが高くても,10年後の動脈硬化性疾患のリスクが高くなければ,薬物治療は行いません.


そうなると,正確にリスクを評価する必要が出てくるわけです.単純に脂質異常症のHDL-c, LDL-c, TGだけでなく,

  • Lp(a)

  • ApoB

といった項目も動脈硬化リスクとされており,これらも一緒に測定することが新しいガイドラインでは求められています.


最近はなるべく数字にして患者さんに示すことが求められますが,具体的には10年後の動脈硬化性疾患のリスクが5%以上あるなら薬を使いましょうとなるわけです.これは次回以降でまたお話をしましょう.

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